一撃必殺のサソリは陸の殺し屋として恐れられているが、かつて、太古の海にウミサソリという恐ろしい生きものがいたのをご存じだろうか。
姿はサソリに多少似ているが、サソリとは直接の類縁関係は薄い。
今から五億年近く前の古生代オルドビス紀に出現した、節足動物のなかでもカブトガニに近いグループである。
からだには一対の大きなハサミ、四対の歩行用の足、遊泳用にヒレ状になった一対の足をもっていた。
このヒレ状の足はウミサソリに特徴的であるため、ウミサソリのことを広翼類とよぶこともある。
ウミサソリの武器は大きなハサミと強力なあごである。
五対の足を巧みに動かして海底をはいまわり、軟体動物や棘皮動物、節足動物を捕まえ、ハサミで殻を割り、内部の組織を捕食していたと考えられている。
古生代の軟体動物は、現生の軟体動物のような硬い殻をもっていなかったので、ウミサソリの強力なハサミで攻撃されるとひとたまりもなかったのかもしれない。